アイキャッチvol12

このブログは、約25年前にアルマック(現:アルマクリエイションズ 神田昌典代表)がビジネス会員向けに発行されていました顧客獲得実践ニュースレターを振り返ってみて、当時を懐かしんだり、今も使えるヒントや発見がないかを見直してみようという趣旨のブログになります。

実践ニュースレターvol.12

1999年6月に発行された顧客獲得実践ニュースレターvol.12号です。

この号は、本文10ページと資料12ページの構成になっています。
その中から、いくつかのノウハウをピックアップしたいと思います。

内容1:顧客単価を上げるための施策

顧客単価を上げるには、パーソナリゼーションを使ったアップセルがポイントです。

パーソナリゼーションとは

顧客に合わせて商品やサービスを提案するマーケティングのこと。
すべてのユーザーに同じサービスやコンテンツを提供するマーケティングよりも、「価格を上げられる」「本来売れない商品を売れる」効果があります。

今回は、パーソナリゼーションをつかう方法を2つ紹介します。

  • DM
  • テーマパーク
  • 店舗販売

パーソナリゼーションを使うと効果的なポイントも解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。

①DMのパーソナリゼーション

DMのパーソナリゼーションとは、以下の資料のような例です。

パーソナリゼーションの例

「○○様にお届けいたします」と個人名を印刷したDM、最近ではよく見かけますよね。

封筒の上から個人宛に送っていることがわかります。

不特定多数に送っているのではなく、あなたに送っていますよという特別感を出せますよ。

DMのパーソナリゼーションは、パソコンがあれば誰でもできますがデメリットもあります。

  • 印刷コスト
  • 封筒封入する時に住所・氏名の一致を確認

しかし、以下の条件に当てはまるならとても効果的な方法といえます。

  • データがしっかりしている(氏名が確実)
  • どうしても落としたい顧客にDMを送るとき
  • 他のコストのかからない施策をやりつくし、反応をアップさせたい

他のコストのかからない施策は、感情を動かすコピーやオファーの検討、注文書の再構成などです。

②テーマパークのパーソナリゼーション(マグカップ・写真)

テーマパークのパーソナリゼーションは、主にアメリカでニーズが多い販売手法です。

以下の写真は、実際にアメリカのテーマパークで撮られた写真をマグカップにプリントしたアップセルです。
テーマパークの写真

ショーレストランを例に出すと、始めに受付で写真を撮られます。

 

写真に自分がどう映っているか気になって、見たらなんとなく購入してしまうのでアップセルになりますよね。

これは典型的なアップセーリングですが、このポイントは簡単にできて即効性があるということ。

価格としては、以下のとおり。

  • ショー:40ドル
  • 写真:8ドル

一見するとショーのほうが儲かるように見えますが、ショーの集客にはコストがかかります。

  • 広告
  • 設備
  • ビル
  • 社員

簡単に挙げただけでもかなりの経費がかかります。

しかし、写真は費用・人手もほとんどかからずにショーの5分の1の価値になるのです。

つまり、ショーはフロントエンド(集客のための方法)で、写真が利益源になっています。

③店舗販売のパーソナリゼーション

店舗販売のパーソナリゼーションは、レジでのトークです。

「お客様は○○円以上お買い上げですので、優待特典として○○が20%オフでご購入いただけますが、いかがですか?」

これだけでも売上が10~20%アップするので、実践してみてくださいね。

内容2:購買欲求を起こさせるには顧客の頭の中を読む

購入につなげるために大切なのは、顧客の頭の中とオファーをリンクさせることです。

たとえば、あるめがね屋さんを例に紹介します。

この店舗は、デパートの2階に仮設店舗を出し、店前には巨大な100均ショップがあるのに売上が上がりませんでした。

めがね屋にくる顧客は何を考えているか想像してみましょう。

ヒントは「人間の考える能力は限られていて、ひとつのことしか考えられない」ことです。

正解は、そのフロアにくる人のほとんどが「100円均一のものを買おう」と思っています。

この顧客にしてはいけないのは、以下のような販売手法です。

  • 時計全品20%オフ
  • ○○セール

理由は、顧客が100均の均一価格商品を探しにきているから。

このような顧客に有効な販売手法は、「目の前の100円商品、なんでも無料!1,000円以上お買い上げの方に限ります」。

つまり目の前にある100円ショップの商品が全品無料に、買いに来た商品が無料になるということです。

この利点は、以下のとおり。

  • めがね屋に関心を向けさせられる
  • 後回しにされがちな時計の購入意欲を出させる

「面倒・忙しい」という理由で遠ざかった購買意欲を出させることができます。

無料なら、

  • 目覚まし時計が壊れていたから買い替えよう
  • 時計のバンドが切れていたから変える
  • 時計の電池を交換しよう

など、顧客の流れを100円ショップからめがね屋に向かわせられますよね。

顧客の頭の中を考えることで、そのお店に最適なマーケティングになります。

顧客の頭の中を考えることはセールス手法として有効

小売店を例に紹介しましたが、以下でも同じことが言えます。

  • チラシ
  • 広告宣伝
  • DMの作成
  • 実際のセールストーク

実際に顧客にしてほしい質問をまとめます。

  • 顧客はどうしてここに集まっているのか、何を探しているのか
  • 顧客が嫌っていることは何か
  • どうして嫌っているのか
  • 顧客は何に悩んでいるのか
  • どうして悩んでいるのか
  • 顧客が恐れていることは何か
  • どうして恐れているのか

このように、「嫌い」「悩み」「恐れ」などの購買につなげやすい理由から突き詰めて考えてみると良いでしょう。

顧客の頭の中を考えてマーケティング手法を生み出してくださいね。

まとめ

今回は、顧客単価を上げる方法と購買欲求を起こさせるマーケティング手法をお伝えしました。

パーソナリゼーションはすぐに実践しやすく、行っていないだけで他社と差がついてしまいます。

顧客心理もマーケティングにおいて重要なポイントなので、必ず押さえておきましょう。

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