「よし、ようやく渾身の商品紹介が書けたぞ!」
チラシ、ホームページ、あるいはニュースレター。苦労して文章を書き上げた時、すぐに公開したくなる気持ちはよく分かります。しかし、そこで一呼吸置いて、「ある重要な作業」をしないと、せっかくの努力が水の泡になってしまうかもしれません。
その作業とは、誤字脱字のチェック……ではなく、読み手の心に芽生える「心の反作用(疑問)」を先回りして潰すことです。
1. 「心の作用・反作用の法則」とは?
私たちが文章を通じて「この商品のメリットはこれです!」と伝えた時、読み手の心には必ず逆方向の力が働きます。これが「心の反作用」です。
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こちらが放つ言葉(作用): 「この商品は、みなさまから愛される4つの理由があります!」
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読み手の心(反作用): 「……本当に? 愛されるって誰に?」「それって、そっちが言いたいだけじゃないの?」
お客様の「第六感」を侮ってはいけません。人は、テレビCMやチラシ、対面の会話の中から、無意識に「うさんくささ」や「矛盾」を嗅ぎ取ります。この小さな違和感が一つでもあると、お客様の心は離れ、購買という行動には至りません。
2. 実践! 疑問を潰すための「セルフ質問」リスト
書き終えた文章を、自分自身が「意地悪な顧客」になったつもりで読み返してみてください。そして、ふと湧き上がった疑問をすべてメモし、文章の中でその回答を提示していきます。
具体例:サプリメントの紹介文の場合
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元の文章: 「厳選された自然由来の成分で、毎朝のスッキリをサポートします!」
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湧き上がる疑問(反作用):
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「『厳選された』って、具体的に何が他と違うの?」
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「自然由来なら何でも安心なの? 産地はどこ?」
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「スッキリしなかったら、お金が無駄にならない?」
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修正後の文章(疑問を潰す):
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「北海道産の契約農家で育てられた〇〇のみを使用。自然由来だからこそ、余計な添加物は一切加えていません。もし1週間試して満足いただけなければ、飲みかけでも返品を承ります。それほど、この『スッキリ』には自信があるからです」
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このように、お客様が口に出さない「でも……」という疑問に先回りして答えることが、文章の説得力を劇的に高めます。
3. 「自分でも買いたくなるか?」が最終ライン
最後に最も大切なチェックポイントがあります。それは、「自分自身がその文章を読んで、心から『これ、欲しい!』と思えるか」ということです。
もし、自分で読み返してみて「なんだか綺麗事ばかりだな」「自分なら買わないかもな」と感じてしまったら、その文章は及第点ではありません。
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商売の根底は「真実」: 良いことばかりを書くのがコピーライティングではありません。時には「使い始めは少し手間がかかりますが……」といった弱みを正直に伝えることで、逆に信頼感が増し、メリットが際立つこともあります。
自分ですら納得できないものを、大切なお客様が納得してくれるはずがありません。納得できるまで、何度でも疑問を持って書き直してください。

4. 手書きニュースレターが「反作用」を和らげる理由
実は、この「心の反作用(警戒心)」を最も和らげてくれるツールが**「手書きのニュースレター」**です。
整いすぎた印刷物の文字は、どうしても「広告」というフィルターがかかり、反作用が強く働きがちです。しかし、あなたの温かみのある「手書き文字」で綴られた文章は、**「広告」ではなく「お手紙」**として届きます。
「〇〇さんが一生懸命書いているんだから、信じてみようかな」
この、理屈を超えた「人としての信頼」こそが、どんなコピーライティングのテクニックよりも、お客様の心の壁(反作用)を低くしてくれるのです。
まとめ:書き終えた時が、本当のスタート
文章を書くことは、お客様との対話の準備です。
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書き上げる(作用)
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読み手の立場で疑う(反作用の発見)
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誠実な言葉で疑問を解消する(信頼の構築)
このステップを繰り返すことで、あなたの文章には「魂」が宿り、お客様の心を動かす本物のメッセージに変わります。
「よし、これなら自分でも絶対に買う!」
そう確信できる一枚を、ぜひあなたの手で仕上げてください。


