商品を売る場合の売れる切り口を、「必要性」と「欲求」という2つの視点から考える方法を見ていきましょう。
今回は、治療院・サロンのサービスについて切り口を考えてみます。
商品切り口分析チャート
これです↓
見たとおりそのままです。
Y=YES N=NO、上記図の場合、ニーズが上にいくほど、ウォンツが左にいくほど購入度が高くなる。
上記図の場合からいえば、売れる商品・サービスというのは、大きく分けて2つあります。
1つは、ニーズがものすごく高いもの、それは言い換えれば差し迫った必要性が高いというものです。
もう一つは、その人の欲求がすごく高くなっているもの、言い換えれば抑えきれない欲求が高くなっているものです。
もちろん、ニーズも欲求も両方が高いものであればさらにいいです。
単なるニーズを、差し迫った必要性の高いものにするには?
単なるウォンツを、抑えきれない欲求の高いものにするには?
を追究していくことで切り口を模索していきます。
整体院の例を含めて、見ていきましょう。
では、整体・サロンのサービスは、現在、どの位置になるのかをポジショニングしてみます。
痛みをとることをメインにしている整体は、悩み解決のニーズ系サービスだといえます。
また、心身のリフレッシュを目的にした○○セラピーのようなサロンの場合は、
気持ち良さを求めるウォンツ系サービス系が強いといえます。
あくまでも一般的には。
でも、オーナーによってそのサービスの出し方や特色は全く違ったものになります。
あさだ整体院を仮オープンしてみましょう
まずは腰、肩、膝、など「痛み」を持っている方に対しての整体コースを一つ作るとします。
そこで、川崎市で「あさだ整体院」をオープンさせるために、このチャートでどういう院の切り口にするかを考えてみます。
あさだ整体院は、駅からバスでいく不便な場所にあります。
近所には整骨院が2件、最寄りの駅前には整骨院とカイロプラクティック院があり、それなりに繁盛してそうです。
あさだ整体院の施術方法は、腰痛、肩、膝などの痛みを、ボキボキしない無痛治療で体の根本から治すサービスです。
看板は、今のところこんな風です。
「あさだ整体院 腰痛、肩、膝などの痛みを改善します」
この状態だと、ポジショニングはこんな感じでしょうか↓
※お店のコンセプトによって位置は変わります↑
差し迫った必要性
整体院は、痛みをとるという悩みを解決するサービスです。
痛くて生活に支障があればあるほど、差し迫った必要性は上がります。
ただ、動けない人は整形外科に行く可能性が大きいでしょうから、自分で動いて来院される人が顧客層という視点から考えていきます。
どういう人がいるのか?
例えば、
- 整形外科で手術が必要といわれたがそれが嫌な人
- ぎっくり腰で歩くことができない人
- 痛くて生活に支障をきたす上、他人に迷惑をかける状態の人
- 痛くて生活に支障はきたすが、自分でどうにかなる状態の人
- 病院で原因がわからなくて、現在苦しんでいる自律神経系、難病
- 治したいけど良い治療院に巡り合ってない方
などです。
さらに差し迫った必要性が高い人は?
- 痛くて仕事に支障がある場合
お客様に迷惑かけたり、出張に行けない、
肉体労働系、休むと給料に影響がでる - 自営業で休めない人
などになるかもしれません。
それよりも差し迫っている人がいるとしたら?
・プロアスリート選手の故障
・大会を目指している有名スポーツ選手
などでしょうか。
こういう風に見ていきますと、同じ腰痛でも、お客さまの種類で差し迫った状態の度合が違うので誰に訴えかければいいかおおよその目安がわかります。
とりあえず、差し迫った必要性としては、これくらいざっくりと意識しておくことにしましょう。
まだまだ競合他社とそれほど変わりません。
あさだ整体院は、駅から遠いし、でもライバルは多いし、保険が使えない自由診療をしている整体院なので、なんとか独自化をしていかないといけません。
抑えきれない欲求
次は、どうすれば抑えきれない欲求を高められる院になるかを考えていきます。
言葉にすると、
「どうしても、あさだ整体院に行きたい!」
「ぜったい、あさだ先生に診てもらいたい」
と思われるような何かを高めていくということです。
どうしても行きたくなる衝動に駆られるお店とは、どういうお店か?
例えばこういうモノから考えてみましょう・・・
1、何かのNO1であるお店
- ○○でNO1(技術など)
- 人気NO1
- 口コミ NO1
1番は誰もが無意識に引きつけられます。
1番がないのであれば狭めて創ります。
2、良い先生がいる噂されるお店
- なるほどと思う理論やしっかりした考え方を持っている
- コンセプトがしっかりしている
- 熱い想いがある
- お客様を大切にしてくれそう
- アフターフォローもきちんとしてくれている
- 誰が見てもすごいと思う何かをもっている
- 何でも聞いてくれる人間性がある
- 有名人のお客さまがいる
- テレビに出演したり書籍を出している
- 地域で小さなセミナーやボランティアをしている
このように、大きな2つの視点で切り口を考えてみます。
必要性と欲求を高くする方法はないか、
を考えてみるといろいろ発見があります。
単なるニーズを、差し迫った必要性の高いものにしていきます。
単なるウォンツを、抑えきれない欲求の高いものにしていきます。
これらを追究していくことで「争わずに克つ」治療院、整体院、サロンを作るためのヒントにしていただければと思います。