患者さんに好かれるスタッフ習慣術55
クインテッセンス出版 澤泉 仲美子(著)
誰だって仕事をしていくうえで、キラキラ輝ける存在でありたいと思うものです。特に女性の場合、なぜ、仕事を一生懸命、頑張るのか?なぜ、今を一生懸命、生きるのか?悩み考え答えを導き出せない人もいるのではないでしょうか。
そんな女性の仕事の考え方のヒントがこの本にギュッと詰まっています。
1、バードアイでものの見方を変える
私がその原点になったのは「歯科助手」です。失敗ばかりの歯科助手時代に泣いてばかりの弱い自分、出産・育児においてもマイナスの体験の連続で、暗く長いトンネルのなかをしばらく彷徨っていました。
そんなとき「もしかしたら、これは壁ではなく、次のステップへの階段なのではないか」と考えたのです。物事は見る角度によって見え方が違い、この壁は私の人生の階段なんだ」そんな風に考えるとピンチがチャンスに思えるようになってきたのです。
ものの見方に“バードアイ”を取り入れたことによって一部に焦点をあわせず、全体を見渡す視点を持つことで見えなかった部分を見たのです。自然と思考が明るく前向きになり「私は愛される為に生まれてきたのだ」と前向きになれました。
バードアイとは鳥の目のこと。歯科助手を始めた頃レセコンもなく資格のない私は、他のどんなスタッフよりも評価が低く、不甲斐ない思いの繰り返しをしていました。
バードアイや昨日とは違うやり方や考えを試しているうちに「物事は、見る角度で意味合いが変わる」「事実はひとつでも見解は二つ以上ある」と人生を大きく変える思考に出逢いました。
また、愛されて輝く女性といえば元気・笑顔・前向き・思いやり・豊富な知識などがあります。仕事を好きになってこそ、明るく元気な笑顔で仕事に取り組めると考えると生活までもが明るくワクワクキラキラしたものに変化します。
愛される女性になるための一番の近道は「今与えられた環境で頑張れる人になること」です
- どうしたら自分を認めてもらえるだろうか
- アシスタントの仕事をさせてもらえるだろうか
毎日はがゆい気持ちを感じているときに、地味でもオリジナリティを作りたいと願うようになりました。
輝く場所の大きさは関係なく小さな組織のスペシャリストになってこそ、次のステップに進めるのです。私はこの小さな組織で“一番”でありたいと考え、トイレ掃除と玄関掃除を中心にピカピカに磨きました。
感性の高い患者様はすぐに気付き感謝の言葉をくださいました。今の自分ができる仕事を探して、それに誠心誠意、心を込めて取り組むと新しいことが待っています。他にも美味しいお茶を淹れるなど「マナーは思いやりそのもの」として仕事に向き合っていきました。
また人が嫌がる仕事「クレーム対応」でもナンバーワンの業務だったと思っています。“不満のあるところにはニーズがある”これこそが多くの患者さんが求めていた心に響くサービスにつながるのです。
クレームのある患者さんには熱い方が多く医院のファンにも繋がりやすい特徴があります。患者さんの為のサービスについても、まずはお金と時間をかけないでできるものから始めていきます。単純仕事こそより丁寧に行うことで、仕事の質を高めることができるのです。
2、あなたは何の為に仕事をしていますか?
お金のためと答える人が多いかもしれません。お金を得るためだけに仕事をしているのは、少しさびしいです。また、お金だけのために働くと、ストレスやイライラが溜まりやすい思考になります。お金を目的だけにするのであれば簡単に稼げる仕事のほうがいいですよね。
最も大切なのは「自分のために仕事をしている」ということ。自分自身の成長のため、仕事を通してもっと素敵な女性になるために、女性を磨くために仕事をしています。仕事から得られるものは「経験」「人とのつながり」「やりがい」「心の満足・感謝」「お金」人は幸せに近づくために行きています。
幸せの捉え方は人によってさまざまでお金がたくさんあれば、幸せを感じることができる人、たくさんの温かな人に囲まれて生きることに幸せを感じる人、趣味を追求できる人生そのものが幸せな人などもいます。
お金があるだけが幸せではありません。孤独のなかから幸福感は生まれません。この部分こそ仕事を通して得るのです。またお給料の使い方として、自分が自分に投資することが大事です。ビジネス本やセミナー参加費、映画、キャリアアップに自分が稼いだお金を投資してください。汗水流して働いて得たお金を使うからこそ身につくのです。
かつては「単なる歯科医院」でも患者さんは訪れていましたが、今は「自分が行きたい歯科医院」に変化しています。
患者さんから高い評価を得られる歯科医院は先生やスタッフの対応、人間性、気遣い、心配り、温かなフォロー体制、医院の雰囲気であり、治療の善し悪しで評価をしない人も多いのです。
歯科医院ではたくさんの患者さんと出逢いますし、いろいろなタイプの患者様とうまく人間関係を築くことこそ人としての成長には欠かせません。
患者様と会話をし、挨拶をし、コミュニケーションを取り患者様の信頼を得る、そのなかで自分のスキルをたくさん身につけていくのです。多くの患者さんとの出逢いや触れ合いがあなたの仕事へのモチベーションをアップさせ仕事へのプライドを高めていきます。
3、歯科医院のサービス「CS」を高めるために
CSとは顧客満足度のことをいいお客様の「買ってよかった」「来てよかった」「体験してよかった」と期待を満たすことです。ここに有名な言葉があります「すべての成功している組織には、共通点があります。
それはお客様を満足させることができていること」です。最も顧客満足が成功している企業の代表といえば、東京ディズニーリゾートがあります。来場している97%以上がリピーターであり、その半数が10回以上もの来場を経験している」といいます。
CSが成功している組織にはお客様の笑顔があり、スタッフの笑顔があり、お客様とスタッフの一体感があります。ディズニーリゾートから学べることは多く“すべてのものが、歩み寄り語りかける”これは歯科医院のサービスに取り入れることができます。
CSで最も大事なことは「笑顔」です。
第一印象はわずか6秒で決まるといわれており、とても深く刻み込まれるといわれています。あなたの6秒の印象そのものが、医院の印象になるといっても過言ではありません。
儀礼的に作った笑顔は本物ではありません。よく見ると口が笑っておらず、目を見るとその方の心が現れています。大事なことがもう一つあり、笑顔を持続するということです。忙しいときこそ、意識して「笑顔」でいられるゆとりと、おおらかな潤いのある女性がとても素敵だと思います。
4、言葉の使い方に注意する
日本語は素晴らしい日本の文化であり、奥行きがあり女性としての品位を表現できる素晴らしいツールでもあります。心を込めてプラスアルファの心遣いを言葉に乗せることが大切です。
多少敬語の使い方が間違えていても大きな問題にはなりません。マニュアルどおりの言葉遣いでは、事務的で冷たい物足りなさを感じることが少なくありません。言葉にはパワーがありますし、「すみません」よりも「ありがとう」を使うと印象が変わるはずです。
ありがとうにはたくさんの素敵な効果があります。例えば半年間「ありがとう」の言葉をかけ続けたサボテンは、表面のとげが全部取れてしまったという実験があります。サボテンのとげは自分の体を守るためでもあり、温かい人間の優しい言葉によってすっかり安心して、護身のためのとげを不要にしたのです。
患者さんとの良好な人間関係を築く為に「話し上手」になる必要があります。話すよりも前に相手の話を聞くこと、聞き上手が話し上手につながっていることに気付きます。
無心になって相手の言い分を聞き入れる「傾聴」を取り入れること、「相手のペースに付き合う」「うなずく、あいづちを打つ、繰り返す」「共感する」「短い質問をする」実践では面白いほど役に立ちます。
また愛される女性に必要なことはなんといっても「素直さ」にあります。女性らしさでいうのであれば「思いやり」も最大の魅力です。女性だからこそ、細やかな思いやりの心を持ち続けていたいものですよね。
本当に人に優しい人は、相手の方の状況や気持ちを十分に考慮する、豊かでゆとりのある心の持ち主です。日頃から相手の方を理解するように心がけてみます。それが本当の思いやりを育てます。
他にも自分を表現するときに名刺を使ったり、相手の名前を呼ぶ習慣をつけることも大切です。愛される女性は「素敵な挨拶」が当たり前のようにできいつでもどんなときでも「自分発」です。
職場で何か別の作業をしていても、いったんその手を止めて顔を上げ、目と目をあわせて行います。その日の気分に左右されることなく、プロとしても、愛される女性おしても誰からも愛される挨拶をしてくださいね。
5、幸せな思考を手に入れよう
能力の差は、技術やキャリだけでは決まらずその人の考え方にあるとされています。どれだけ技術やキャリアが積まれても、他人を尊重したり、感謝の気持ちが持てない人では周囲からの評価や支持がなくなり、協力を得られなくなってしまいます。「人に感謝する思考を持っている人」「本当のプラス思考をもっている人」この思考こそが能力の差になります。
考え方一つで過去を変えられるとしたらどうでしょう。キラキラ輝き続ける女性は情熱を持っている人でもあります。また、愛される為に一生懸命生きようと伝えてきましたが、それ状にどれだけ人を愛せるか、そのために自分がまず何ができるのか、それを追い求めていくことが仕事や人生においてとても大切です。
愛されることの素晴らしさを伝えられる人になってくださいね。
患者さんに好かれるスタッフになる為には、女性として輝いている人であること、そのために自分を大切にしてあげてくださいね。
6、まとめ
女性に限ったお話しではなく、男性にもサービス業全体にも学びとなります。「愛」という言葉がありますが、「思いやり」という言葉が本来の意味に近いものだ、とある方が言われたことを思い出します。思いやりがあふれた空間は、調和のとれた場所ですから何度でも通いたくなるのは自然の理でしょうね。